昼下がりのサニーモバイル。店内は、今日も少しだけゆるやかな空気が流れている。賑やかな時間帯を過ぎたあとの、ほんのつかの間の静けさ。そんな空気のなか、今日もまたひとり、ある想いを胸にしたお客さまが、そっと扉を開けた。—その奥に、ひとつの「ありがとう」が、そっと待っているように。
ありがとう、相談カウンターから届く想い
そんな時間帯に、ゆっくりと入ってきたのは、70代くらいの男性。手には新品の「かんたんスマホ」と、少し折れた取扱説明書。目元には不安と、どこか申し訳なさそうな気配がにじんでいた。

すみません…。昨日これ買ったんですけどね、
電源の切り方がよう分からんのですわ…
そうつぶやく声は、少し小さく、そして遠慮がちだった。
対応に出たのは、スタッフの五十嵐あゆむさん。黒髪に落ち着いた笑顔。ゆっくりと席を用意し、男性の目線に自然と合わせる。

大丈夫ですよ。ご一緒にゆっくり確認していきましょうか。
ガラケーからの機種変更…
話を聞けば、長年使っていたガラケーをとうとう手放し、「かんたんスマホ」へと乗り換えたばかり。
契約も、設定も、息子のお嫁さんが付き添ってくれて済ませたという。

ほんとは、わからんときにすぐ聞けたらええんやけどね。息子たちも忙しゅうて… 言うても、説明書見てとか今無理やからってなるだけで…
あゆむさんがうなずきながらスマホを手に取ると、男性はふと、つぶやくように言った。

昨日の夜ね、メールが届いてたみたいやけど、開き方がわからんのですわ。聞いたら、息子にこう言われましてな、それはお父さんにはむずかしいって… どうしてガラケーやめたの?って
その言葉には、苦笑いと、小さなため息が混じっていた。スマホに替えたのは、家族に勧められたから。
正直、ガラケーのままでも困っていなかった。
孫の写真が小さすぎて見えなくて…

でも、この前、孫の写真が送られてきたんです。ガラケーじゃ小さすぎてよう見えんかったもんで…
そう言って、男性は少しだけ照れくさそうに笑った。買い替えのきっかけは家族。けれどその背中を押したのは、孫の小さな笑顔を、もっとちゃんと見たかった気持ちだった。
あゆむさんは、ほんの一瞬だけ目を伏せたあと、笑顔で言った。

かんたんって、慣れたら本当にそうなんです。
最初だけなんですよ、難しく感じるのは…
そこからの時間、通知の消し方、写真の撮り方、着信履歴の確認方法… 一つひとつ、丁寧に教えていく。メモ帳に図を描いて渡しながら、ゆっくりと進めた。
気がつけば、30分以上が経っていた。男性は小さくうなずきながら、スマホをポケットにしまった。
ありがとう、やさしい対応と、届いたひとこと

なんや、わしでも使えそうな気がしてきたわ。
その表情には、不安ではなく、少しの誇らしさが混ざっていた。そして立ち上がるとき、男性は少しだけ視線を外しながら言った。

…あなたでよかった。ほんま、助かったわ。ありがとう
あゆむさんは、いつものように静かに微笑んだ。

またいつでも、お立ち寄りください。鈴木様のスマホ、
ずっとサポートしますから…
携帯ショップには、最新機種だけじゃなく、はじめての不安と、だれかに頼りたいという想いが詰まっている。そのすべてを、ちゃんと受け止める場所が、ここにはある。

サニーモバイル編集部より

スマホは「つながるための道具」。
でもその道具を使いこなすには、誰かの支えが必要なときもある。
第1話は、そんな“あゆむさんのやさしさ”が光るお話でした。
次回は「auスマホトクするプログラム」をお届け予定です!